「良ければ良い、安ければ安いほど良い」ではない

バイヤーの役割とは最適な品質最適なコスト。最適な納期で部品を調達購入することであることは前回のブログでも書いた。

ただ、それが意外と難しい。

なぜ難しいのか?少し考えてみよう。

理由は大きく分けて2つある。

1つ目は購入側であるバイヤーの責任。

2つ目は部品を供給する側のサプライヤー側の責任。

今回は購入側であるバイヤーの責任について考えてみよう。

さて、このブログを読んでくれているバイヤーの皆さん。自分が購入する部品の最適な品質、最適な価格、最適な納期は理解していますか?

おそらく理解していないでしょう。

品質は良い方がいい。

コストは安い方が良い。

納期は早い方が良い。

こう思ってるのではないでしょうか?

確かに、そうかも知れないが、そう思っているバイヤーは三流のバイヤーである。

では何を持って、最適な品質、最適なコスト、最適な納期というのでしょうか?

まず最適な品質。

物の品質とは良ければ良いに越したものではありません。その物のコスト、もしくは用途によって求めるべき品質というものは変わってきます。

より良い品質の物を作るためには、当然その材料や加工プロセス、加工後の製品に対する検査・管理を厳しくせざるを得ません。

厳しくするということは、すなわち人や手間がかかるということです。

多くの人、手間がかかるということはコストがかかるということです。

決められたコストの中で物を作るためには限られた人・時間で作業をする必要があります。

例えば、あなたはサービス残業で他人のために仕事をしますか?

少なくとも私は絶対にしたくはありません。

金も払わずに高品質な物を作れ、と言うのはこう言った事を言っているのと同じなのです。

クソみたいな事を言っていると思いませんか?

では、どうすれば良いのか?

サプライヤーと交渉する前に、求める品質、コストに対して、しっかりと理由をつける事です。

この部品に関しては、品質が重視されるのか?それともコストが重視されるのか?

その部品が、人命や健康に影響を及ぼすのであれば、当然、品質重視でやらなければならない。コスト度外視でやるべき事になります。

しかし、健康に影響が無く、大量消費されるようなものであれば、コスト重視になるかもしれない。

コスト重視の場合は、会社としてマーケティング部門、もしくは営業部門がどれくらいの価格でなければ売れないと考えているのか?

どれくらいの利益が必要なのかを考えて、逆算して材料原価を決定する。その中で、コスト交渉できそうな部品を選定して交渉。

目標に達したら、更に深追いはせず終わる。コレが重要である。(深追いしてはいけない理由はまた別の記事で書こうかと思う)

最適な納期。

何でもかんでも短納期で注文してはならない。サプライヤーには自分達以外の顧客もいる。

無理な納期での発注はサプライヤーの生産ラインをめちゃくちゃにしかねない。

しっかりとリードタイムに余裕を持って発注する必要がある。そんな余裕はないと言われるかもしれないが、社内でその余裕を作るのもバイヤーの役割である。

外部との交渉ばかりするのがバイヤーの役割ではない。

次回は、何故、とことんまでコストダウンにこだわってはいけないのか?を説明したいと思う。

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